ラブアン財団設立及び管理サービス
Bona Trust Corporationではラブアン財団の設立及び管理サービスを提供します。
ラブアン財団(Labuan Foundation)は、マレーシア経済特区ラブアン島において設立できるオフショア財団のことをいいます。
ラブアン経済特区内(タックスヘイブン域内)で設立されたすべての財団は税制優遇措置の適用対象となり、同アジア地域の香港やシンガポールと比較しても、税制上極めて有利なオフショアサービスを享受することが可能となっています。
ラブアン財団は以下のような方におすすめです
ラブアン財団は、主に富裕層の個人及びその一族、NPO(非営利団体)等が様々な目的で活用しています。
ラブアン財団の主な活用目的 | |
・富の創造と蓄積及び資産承継計画 | 一族の富と価値を次世代に継承させることができます |
・強力な資産保護と堅牢な機密性 | 資産が適切に設定されている場合、債権者またはその他の請求者から資産を強力に保護することができます |
・資産の統合と管理 | 国境を越えた資産と受益者を統合・管理させることができます |
・蓄積された資産の最適運用・配分計画 | 受益者が資産を受け取る方法をコントロールすることができます |
・プロベート(検認手続き)の回避効果 | プロベートを回避し、裁判所の費用の支払い、遅延等を発生させずに、資産を相続人に効率的に配分することができます |
ラブアン財団の優位性
ラブアン財団の主な優位性は以下のとおりです。
ラブアン財団の優位性 | |
資本・財産要件 | ラブアン財団は、資本要件の概念がないため、1USドルから創設が可能です。 |
法的地位 | ラブアン財団は法人格を有し、財団名義で銀行口座の開設や動産・不動産を保有することができます。また、他の会社の株主になることも可能です。 |
機密性 | ラブアン財団は堅牢な機密性と匿名性が確保でき、ラブアン財団に関する情報は外部に公開されることはありません。 |
存続期間 | ラブアン財団は、存続期間を無期限とすることも可能です。 |
資産 | ラブアン財団は創設者の持ち分が残らないため、プロベートを回避する効果があります(相続手続き不要)。 |
創設者の管理権限 | ラブアン財団の創設者は、ご自身を財団の理事として任命することで、財団を引き続きご自身の指揮監督下に置くことができます。 |
債権者からの請求 | ラブアン財団の創設者には持分が残らないため、財団に寄付した資産は、ご自身の資産からは完全に切り離されることになります(倒産隔離機能)。 |
税金 | ラブアン財団の受益者への分配は、ラブアンで免税扱いとなります。
※受益者は、それぞれの税務居住国にて租税債務を満たす必要があります。 |
ラブアン財団の租税優遇措置
ラブアン財団法人の租税優遇措置は以下のとおりです。
ラブアン財団の法人税(資産保全を目的とした法人) | |||
税率 | 0%(非課税) | ||
会計監査 | 不要 |
資産管理・資産保全を目的とするラブアン財団は法人税が免除されます。ただし、財団名義で事業活動を行った場合に限っては、Trading Companyと同様、以下のように法人税が課税される点にご注意ください。
ラブアン財団の法人税(事業活動を目的とした法人) | |||
税率 | 3% | ||
会計監査 | 必要 |
※ラブアン財団で事業活動を同時に計画されている場合は、ラブアン財団を100%株主として一般法人を設立、一般法人側で事業活動を行うことをおすすめします。
ラブアン財団の概要と主な特色
ラブアン財団の概要 |
注:一度移転された資産は、財団によって法的に所有されることになります。 創業者(Founder)は希望により、財団の理事(Council Member)として行動し、引き続き資産や事業をご自身の指揮監督下に置くことができます。
• 創設者(Founder)・・・・・・・・・・・・・・・・創設者。個人または法人および憲章加入者
• 受益者(Beneficiaries)・・・・・・・・・・・・・・財団の資産に既得権益を有する者
• 監督者/保護者(Supervisory Person / Protector)・・理事会の行動を監視し、財団の業務を保護する者
• 理事会(Council Member)・・・・・・・・・・・・財団と役員の遵守を確保する者
• 役員(Officer)・・・・・・・・・・・・・・・・・・財団の目的を達成するために財団を管理する者
• 秘書役(Secretary)・・・・・・・・・・・・・・・・財団の秘書役として行動し、代理機能を有する者
創設者 / Founder (財団の設立者)
※必須 ※一般法人の取締役(Director)に該当 |
• 最低1名を強制任命、個人又は法人であること
• 財団憲章の加入者となること • マレーシア居住者、非居住者いずれも可能 • 理事及び受益者との兼任も可能 |
受益者 / Beneficiaries
※必須 ※一般法人の株主(Shareholder)に該当 |
• 財団の資産に既得権益を有する者であること
• 個人、法人または慈善団体も含むことが可能 • マレーシア居住者、非居住者いずれも可能 •財団の憲章または条項に具体的に記載されていない限り、受益者は財団の資産に対する権利を持たず、受託者としての責務を負うことはない |
役員 / Officer
※必須 ※一般法人の管理者(Manager)に該当 |
• 最低1名を強制任命、個人又は法人であること• 財団の登録に先立ち創設者が任命しなければならない
• マレーシア居住者、非居住者いずれも可能 • 創設者または受益者は、役員兼任可能 • 同時に理事兼任は不可 • 財団の適切な運営を確保し、理事会の決定を下すための義務を有する |
理事会 / Council Members
※任意 ※一般法人の取締役会(Board of Directors)に類似 |
• 創設者の裁量により、任意任命
• 任命された場合、最低1名、個人または法人であること • マレーシア居住者、非居住者いずれも可能 • 同時に役員兼任は不可 • 理事会は、一般法人の取締役会に類似した機能を有する • 理事会は、財団の運営を管理・監督し、関連する法律、憲章及び条項の遵守を確実にする責任を有する • 理事会メンバーは財団の役員を監督する。理事会の決定は、財団が設立された目的とその目的に沿ったものでなければならない • 理事は受益者に対する信託的義務を負うことはない |
秘書役 / Secretary
※必須 ※一般法人の会社秘書役(Company Secretary)と同様 |
• 最低1名を強制任命、ラブアン信託会社であること
• 財団への秘書役として行動し、準拠する代理機能を果たし、財団とラブアン金融庁(Labuan FSA)との間の導管役としての機能を有する |
監督者、保護者 / Supervisory Person, Protector
※任意 |
• 創設者の裁量により、任意任命(監督者または保護者の名称)
• これらの当事者は、理事会の決定、役員、理事などの追加または削除の権限を監視する機能を有する |
ラブアン財団の主な特色 | |
登録事務所 / Registered Office | • ラブアン島内に登録事務所を有していること
• 登録住所は信託会社の住所でなければならない |
資本・財産要件 / Capital, Wealth Requirements | • 資本要件無(財団は株式資本の概念が無いため)
• 最低寄付額 1USD から創設可能 |
法的地位 / Legal Status | • 法人格を有する• 会社の株主になることが可能
• 各種契約の締結、物件の売買、銀行口座の開設、他の企業の株式や持分を保有することが可能 • リスク最小化のために、すべての事業取引(もし行う場合)は、別法人またはパートナーシップを通じて取引を行うことが推奨される(理由:財団が行う事業活動は、その財産の管理である主な目的に付随する補助機能として考えられるべきであるため) |
登録 / Registration | すべてのラブアン財団はラブアン金融庁(Labuan FSA)に登録されていなければならない |
期間 / Duration | 固定期間存続、永久期間存続いずれも選択可能 |
使用可能通貨 / Currency | ラブアン財団は、関係当局が許可した場合を除き、原則としてマレーシア通貨(リンギット)以外の通貨で運営を継続することが期待される |
法令遵守 / Compliance | すべてのラブアン財団は、2001年のマネーロンダリング防止テロ対策法(the Anti-Money Laundering and Anti-Terrorism Financing Act 2001)を遵守するものとする |
資産 / Property | • 有形または無形の、動産または不動産等のあらゆる種類の資産は、ラブアン財団に譲渡することが可能。 これらの資産は財団が所有し、特定された目的に応じて適用される• 銀行小切手、国際郵便小切手、株式、有価証券、債券、銀行手形および信用状を含む上記の箇条書きに記載されているような資産を示す電子的またはデジタル的な形式の法的書類または書類
ラブアン財団の財産は財団によって法的かつ有益に所有されており、財団の憲章に記載されている目的および目的のためにのみ利用されるものである マレーシアおよび/またはマレーシア以外の財産もラブアン財団の財産とすることができる
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マレーシアの国内資産 / Malaysian Property | • 慈善目的のために創設されたラブアン財団は、マレーシアの資産を保有することが可能 [※1]• 非慈善目的のために創設されたラブアン財団は、マレーシアの資産を保有するためには、ラブアン金融庁(Labuan FSA)からの事前承認が必要 [※1] |
創設者の管理権限 / Founder retains control | • 創設者は、理事及び受益者として自分自身を任命することが可能
• 創設者は、財団または財団の憲章に権利及び権限を有することが可能 |
債権者からの請求 / Creditors’ claims | 創設者とは別個の法人格を有するため、資産の移転が請求の発生前に完了した場合、資産は創設者に対する債権者の請求の範囲外となる。ただし、資産譲渡は以下の点に注意すること。
• 債権者の訴訟原因が発生する前に創設者から財団に資産の譲渡が行われていること • 資産の譲渡は創設日から2年間とすること • 資産を創設者から財団に譲渡したことにより、創設者自身が破産してしまわないこと • 債権者を不正に欺く意図を持たずに資産の譲渡が行われていること |
会計情報 / Accounts | • 会計帳簿はラブアン島内で保管しなければならない• 役員による監査及び閲覧のためにいつでも利用できるよう努めなければならない |
本拠地変更 / Redomiciliation | 可能。他国(地域)で設立された財団は、他国の管轄権が許諾されていれば、ラブアン籍→外国籍、外国籍→ラブアン籍いずれも本拠地を変更することが可能 |
解散 / Dissolution | 財団は、次のことに基づいて役員の決議が成立したときに解散することが可能
• 財団が一定期間設立され、その期間が満了した場合 • 財団創設の目的が達成されたか、履行不能になった場合 • 憲章に基づき解散が要求された場合 解散後、残りの資産の所有権は受益者に移転される |
※ラブアン財団では一般法人同様に創設者(Founder≒Director)が就労ビザの申請・取得を行うことが可能です。ただし、理論上は可能ですが法人税が免除されているため、マレーシア移民局にとっては当該人物にビザを発給するメリットがなく、よほどのメリットを説明できないかぎり発給は非常に困難とお考えください。就労ビザを取得されたい場合は、100%子会社としてラブアン法人を設立し、ラブアン法人側で就労ビザの申請を行うことをおすすめします。
※ 1 慈善目的とは、以下の目的のいずれかの内容を1つ以上含んでいる必要があります。
慈善目的の定義 | |
1. 貧困の予防と軽減 | |
2. 宗教、職業、教育の発展 | |
3. 怪我や病気、または飢餓の予防と軽減を含む健康の発展 | |
4. 高齢者、障がい者、子どもおよび若者の介護、支援、保護を含む社会および地域社会の発展 | |
5. 文化、芸術、遺産の発展 | |
6. 身体的または精神的な努力を伴うことによって健康を促進するアマチュアスポーツの発展 | |
7. 人権、紛争解決、和解への促進 | |
8. 環境保護と改善の発展 | |
9. 動物福祉の発展 | |
10. 社会福祉のためのレクリエーションやその他の余暇のための施設の発展 |
ラブアン財団とラブアン信託の違い
ラブアン財団とラブアン信託の違いは以下のとおりです。
ラブアン信託(TRUSTS) | ラブアン財団(FOUNDATIONS) | |
準拠法 | コモンロー(Common Law) | 民法(Civil Law) |
法人格 | 無 | 有 |
資産の帰属 | 信託に帰属、受託者が法的所有者 | 財団に帰属、財産はもはや創設者のものではなく、財団に帰属する |
当事者間の関係 | 信託契約 | 民事上の契約 |
当事者間の名称 | • 信託設定者(Settlor)
→ 信託を設定する者 • 受益者(Beneficiary) → 信託の恩恵を受ける者 |
• 創設者(Founder)
→ 寄付を行う者 • 受益者(Beneficiary) → 寄付の恩恵を受ける者 |
登録 | 不要 | 必要 |
証明書類 | 信託証書(信託確立文書) | 憲章(財団の主要構成文書)
※財団は、その詳細な管理規則を持つ文言を記述することが可能 |
管理権限者 | 任命された受託者
※信託資産を保有し、信託を管理する責任を負う |
理事及び役員
※財団の事業と業務を遂行し、その目的を追求することを委任され、役員および理事は、憲章および条項に従って行動する必要がある |
事業体の帰属 | 信託設定者は、信託を確立し、信託財産の法的所有権を受託者に確定した後、一定の予備権を有することができる | 創設者は財団の財産に関する所有権を保持または取得していない(倒産隔離機能)。
※受益者または財団が創設された恩恵を受けた者には、創設者自身も含ませることが可能。 |
(参考:ラブアンIBFC「GUIDELINES ON THE ESTABLISHMENT OF LABUAN TRUST AND ISLAMIC TRUSTLabuan Business Activity Tax Act 1990」)
ラブアン財団設立サポートについて
ラブアン財団の設立をご検討されている方は、弊社までお気軽にお問い合わせください。
お客様のニーズに合った提案を行い、見積もりを作成いたします。
(例:)ラブアン財団運営のモデルプラン | |
創設者 / Founder | ご本人 |
受益者 / Beneficiaries | ご本人 又は 配偶者やお子様、お孫様など |
理事 / Council | ご本人 |
役員 / Officer | ラブアン信託会社 又は 弊社 |
秘書役 / Secretary | ラブアン信託会社 |
※【重要】上図のように創設者(Founder)が日本国籍を保有しており、受益者(Beneficiaries)を日本国籍保有者に任命した場合、その時点で贈与税が発生するため注意が必要です。このような安易な方法で財団を設立し、贈与税を非課税にしようとしても間違いなく否認されますのでご注意ください。
(参考:ラブアンIBFC「Labuan Foundations Act 2010」)
(参考:ラブアンIBFC「Labuan Financial Services and Securities Act 2010」)
(参考:ラブアンIBFC「Guidelines on the Establishment of Labuan Foundation」)
(参考:ラブアンIBFC「Guidelines on the Establishment of Labuan International Waqf Foundation」)